十二支に学ぶ、共通言語デザインの大切さ
今年もあと数時間で終わりですね。
鳥好きの自分は酉年の到来を心まちにしております🐣
そんな年の瀬にUXな小話をひとつ。
十二支に学ぶ共通言語の大切さ
皆さん、十二支って何のために生まれたかご存知ですか?
古くは中国の日付を表す記号だったそうです。
十二支は古く殷の甲骨文では十干と組み合わされて日付を記録するのに利用されている。 ~Wikipedia
それがなぜ12の動物たちに割り振られたかというと、、、、
単純に「庶民にも覚えやすいから」
だったそうです。(諸説あります)
なんだ、つまらない理由だなっと思ったかもしれません、、、
そこで、この庶民にも覚えやすい共通言語、がいかに大切かという話をしようとおもいます。
もし時間を表す言葉が無かったら
「時間を共通の言語で理解しコミュニケーションをとる」という文化は、今や当たり前かもしれませんが、
今、身近な所だと、出社や退社、駅などの交通機関、電子機器のタイマーからデートの待ち合わせまで自然と幅広く利用されています。
これらの共通の言語が世界から無くなった時を想像してみてください。
現在の文化や利益は、この時間という共通言語に支えられていることに気づくのでは無いでしょうか?
サービス開発で必須な共通言語
一気に話のスコープをサービス開発に移しますと、
これはEric Evansの『ドメイン駆動設計』にあるユビキタス言語の例でも例えることができます。
つまりは、
「世界」という新規サービスを開発している最中、「日本」というドメインモデルの中にある「時間」という概念を「十二支」という共通のユビキタス言語とすることで、
「じゃ、酉の刻にローンチな!」という厳密な約束をエンジニアと企画職とが結ぶことができる。
ようになったわけです。
十二支という共通言語のデザイン
ここで、最初の話に戻るのですが、
ユビキタス言語は定義よりも、浸透させることの方が難しい
という事実は、つい忘れられがちな現実です。
これらの時間の概念に、身近な動物という分かりやすいアイコンをセットすることで、数百万人というリテラシーの低いユーザーに、共通言語として認知させることができた十二支は、
ある意味で、デザインの大きな成功事例だと感じます。
識字率も高く無かったであろう当時のユーザーにとってもユーザビリティの高い、十二支という新しいデザインは、相当にイノベーティブだったのでは無いでしょうか?
十二支に猫がいないのも、当時の干支を設計したデザイナー(広義)達が、『猫は認知がまだ一般的でない』と検討した結果かも??
未来の理想に名前をつけよう
ぼくらの開発チームは、これから3年間で作り上げたいサービスの理想像を「蝶」というユビキタス言語で定義し、浸透させました。
これはチームが大きくなり、長期計画が複雑すぎて現場に浸透しにくい、という課題に対する、自分なりのアンサーでした。
(詳しくはいえませんが、蝶という言葉には、美しい姿になるにはサナギという耐える時期も大切だ、という比喩など。サービスに沿った様々な意味が込められています。)
つぎの1年はこの「蝶」という共通言語がサービス開発の中で、現実のものとして羽ばたいてくれることを夢見ています。