批評(レビュー)で相手の120%を引き出すための3つの"プラス"
以前、DESIGN+という勉強会に参加させていただき、ちょっと心に刺さった言葉があったので、その場での議論を元に自分なりにまとめてみました。
DESIGN+(デザインプラス) は、我々が普段扱う DESIGN にもう1つ発想をプラスする、ポジティブな創造活動に転換するなどと言った様々な「プラス」の要素を加えることで、DESIGN への新たな向き合い方を模索することを目的とした、 <人 / 声 / 知> が集まる「集合体」です。
誤った批評文化は「かけ算」を生まない
例えば、新しい企画を確認するとき、デザインモックを見たとき、コードレビューをする時、
誰かと一緒にモノづくりをする時に、必ず批評をすると思います。
その「批評をし合う」という文化は、非常に大切なもので、互いに批評し合える組織というのは、全てのベースになるものです。
しかし、
自分が正しいと思ったことをただ”そのまま”相手に伝えてしまっていませんか?
それでは、批評したの相手の能力を50%も引き出すことが出来ない、と自分は考えています。
(だからと言って、もちろん「本当に伝えるべきこと」を伝えないことは良くないことです。)
相手の力を120%に引き出しつつ、伝えるべきことを伝えたい。
そんなときは少しだけ以下のテクニックをプラスしてみませんか?
批評に3つの「プラス」をしよう
+思考にプラスする+
相手を尊敬する
ここでの尊敬とは、"スキルの高低" や "出来の良し悪し" だけではありません。
相手とそのアウトプットは、必ず自分には無い素晴らしい魅力を持っているはずです。
まずはそこを見定めて、キチンと相手への尊敬の気持ちを持ちましょう。
尊敬の念には、相手と自分の関係をフラットにする力があります。
+言語にプラスする+
「いいね!」でサンドイッチする
まず最初にそのアウトプットの一番いいところを探して、「いいね!」しましょう。
自分ならこうしたい!という気持ちぐっと我慢して、渾身のいいね!を贈ります。
その後ゆっくり自分の意見を述べます。
批評の最後も、「いいね!」でしめましょう
相手はあなたの意見を、ポジティブな気持ちでアウトプットに反映できるはずです。
+行動にプラスする+
相手の意見に傾聴する
批評をする上で、まず相手の意見をとっくりと聞く(傾聴する)ことが大切です。
その上でキチンと貴方の意見を「聞いているよ」と伝わるような行動をしてあげることは、意外に忘れがちです。(実はよーく聞いてる時ほど、ありがちです)
傾聴を伝える方法には「暗示的傾聴」と「明示的傾聴」の二種類があり、
暗示的傾聴とは、キチンと相手が話し終わって一拍置くまで待つ、など。
明示的傾聴とは、相手の言葉に頷く、オウム返しする、などです。
人は「自分が聞いてあげた量」より多くの言葉を聞いてくれない、、、と思っておいた方がいいでしょう。
批評の本質とはポジティブを生むこと
プロダクトづくりは、全てを自分では作れないが故にチームを組んで一つのミッションにあたります。
コラボレーションがあるから、一人では作れない大きな課題を解決できるのだと思います。
アウトプットの批評は、そのコラボレーションのひとつひとつの歯車です。
もしも貴方の批評がアウトプットそのものだけに向いてしまっているのだとしたら、
今回の「思想・言語・行動」を、少しだけプラスしてみましょう。
指摘内容を伝える + 相手の心をポジティブにする、
そのことで、貴方と相手は「足し算の関係」ではなく「かけ算の関係」になれるはずです。
※補足
このプラスは、決して「いい人」になる方法ではありません。
前提として、必ず自分の意見は持ちましょう。
そしてむしろ、エゴイスティクに良いプロダクトを作ろうとするのであれば、仲間の力を200パーセント引き出して、共に新しい価値を届けましょう。
コラボレーションデザインについて、興味のある皆様にオススメの本はこちらです。